私は女子校に通っている間は部活に夢中なスポーツ少女だったので彼氏がとうとうできませんでした。その後に進学した短大の時に、飲食店でのバイトを通じて初めての彼氏ができました。私は実家から短大に通っていましたが、大学生の彼は地方から出てきて一人暮らし。生活費を稼ぐためにたくさんシフトに入っている頑張り屋さんでした。彼に負担をかけたくないと、私の方からお願いしてデートなどは全て割り勘。「たまには俺が払うよ」と言ってくれるその気持ちだけで十分でした。彼と迎えた翌年の私の誕生日。生まれて初めて彼氏と一緒に過ごす誕生日だったのでワクワクしていました。いつもはファミレスやファストフードでしたが、その日は彼が小さなフレンチビストロを予約してくれていて、それだけで感動。さらに帰り際には「はい、誕生日おめでとう」と小さな箱を渡してくれました。水色の箱に入っていたのは、そうティファニーのネックレスでした。「安いものだけど…」とちょっと申し訳なさそうに言う彼に感動して涙が出てきました。その日から、彼と会うときにはいつもティファニーのネックレスをつけていました。心が通い合っている感じがしてとても嬉しかったのです。その後、彼と別れ他の男性と恋愛、そして結婚もして家庭を持っていますが、今でもそのネックレスはタンスの奥に大切に保管しています。